受検者状況
| 受検生総数(出願者ー当日欠席者) | 実倍率(受検生総数/定員) | ||
| 相模原中等 | 男女 | 716名 | 4.48倍 |
| 平塚中等 | 男女 | 547名 | 3.42倍 |
はじめに
今年の受検生、およびこれから受検を考えているお子様の一助になればと思い、Proceedではその年の2月3日に行われた適性検査を独自分析し、予想ボーダーを算出しております。難易度設定や、ボーダーを算出するにあたって、Proceedの職員一人ひとりが時間を計って問題を解き、その感想を元に打ち合わせを重ねて作成しております。
今年も例年同様、小問ごとに『易・やや易・標準・やや難・難』の5つのランクに難易度を分類しました。
ここでいう難易度とは、単純に問題が解きやすいか解きにくいかだけではなく、試検時間内に情報処理ができるかどうか、全ての計算系の問題をミスなくやりすごせるかどうか、などといった様々な背景を加味しております。つまり難易度は、大人目線ではなく、あくまで小学校6年生が試検会場でとれるかどうかを客観的に考察したものです。
ボーダーは、分析した今年度の難易度と、過去の適性検査の難易度、そしてその当時の追跡調査の結果を重ね合わせて算出しております。
Proceedではが毎年公表するボーダーは、これまで大きく外れることはありませんでした。そういった意味で、今年度のProceedの予想ボーダーも参考資料として使っていただきたいと思っております。ですが、あくまで『予想』であり、大きく前後する可能性も十分にあることをご承知ください。
例年、どなたかが某受検掲示板にてリンクを貼ってくださり、そのリンクを辿って、多く方がこのページをご覧になっていることは承知しております。
このインターネットが普及した時代だからこそ、良識の範囲内でご覧いただきたくことをお約束いただけると幸いでございます。
(文責:塾長 高柳)
適性検査分析
先に結論を申し上げると、今年度は昨年度に比べて大幅に難化している。ここ年数年で一番難しい。適性検査Ⅰは昨年同様、大問が5問構成で、解答しなければならない小問の数は13問で(記述1問含む)で、昨年と同じで形式であった。
適性検査Ⅱは問題の構成自体は昨年度同様の、大問4題構成ではあったが、解答すべき小問の数は11問(記述1題含む)と昨年より2問減った。
適性Ⅰの大問別構成を見てみると、文系が2問・推理系2問、理系が1問だった。問5は近年定着しつつある、自分の意見を記述する問題が今年度も出題された。
適性Ⅱは大問4問構成で、文系が2問・推理系1問、理系が1問で、問1は例年通りの記述問題が出題された。
今年は、自分で出した答えを「記述する問題」が昨年までに比べて若干増えた。つまり、適当にマークすれば当たるかもしれない問題の数が若干ではあるが減った。これは、「適当にマーク」してたまたま受かる子を減らすために作問者が意図的にやっていることなのか、今年がそういう問題が偶然多かっただけなのかは、推測の域を出ない。しかし、今後受検を考えているお子様は、たとえ神奈川県立の適性検査がマークシート方式が主であったとしても、正しい答えを導き出す訓練が必要になってくることは間違いない。
正直申し上げて、今年の適性検査の構成意図が全く分からない。
よく『問題を見るとどのような生徒を学校が求めているのかが分かる』と耳にすることがあるが、今年の県立中等の適性検査に込められた作問者の意図が全く見えない。
今年以外の神奈川県立の適性検査では『落としてはいけない問題』、『差がつく問題』、『捨てるべき問題』のバランスが非常によくとれていて、大人が見ても新たな気づきがある、よく綿密に練られた素敵な問題だと、僭越ながら思う。
しかし今年は、『落としてはいけない問題』と『差がつく問題』がかなり少なく、ただ『難問・奇問』を集めるだけ集めたただけの非常に歪な構成になっている。ここまでやると、受検生に対する嫌がらせにしか思えない、というのが正直な感想である。
何の気づきも感動も得られない、過去一の悪問であった。
詳しい難易度や所感は、次以降に書かせていただいた、適性検査ごとの難易度分析に譲ろうと思う。是非とも最後までご覧いただきたい。
適性Ⅰ [難]
[問1]文系 (合計40点)(1)やや易 20点
(2)やや難 20点
(1)
資料と設問の整合性をはかる問題であった。過去の適性検査に出題された計算作業を要さないため,短時間かつ,正確に取っておきたい1問である。しかし,本番の緊張感の中で慌ててしまった受検生は選択肢④の明治2年12月という条件を見落としてしまい,誤った選択肢を選んでしまった受検生もいたのではないか。
(2)
題材が馴染みなく,検査中に戸惑った受検生も多かったのではないかと考えられる。それに加え,1度読んだだけでは[方法]が理解できず、2度,3度読み返したことであろう。さらに,条件をおさえることができたとしても,操作が複雑かつ,最後の最後で文字の送信を終了するためにもう1周回さないといけないため,その1周を忘れてしまい,7回ではなく,6回と答えてしまった受検生も数多くいたはずだ。
[問2]文系(合計70点)
(1)易 20点
(2)標準 20点
(3)難 30点
(1)
〔用語〕の平均収量の求め方にしたがって,不要な年を除けば良い。条件に合う年を考えると容易に答えにたどり着くことができた受検生が大多数であったと考えられる。これは確実に取っておきたい1問である。
(2)
平均収量の計算を実際に行い,求めた値から,[会話文]中に書いてある指示通りに割合の計算を行えばよい。ただ,平均収量を求めるためには5年分の大豆の単収の平均値を求める必要があるが,慌てて計算をし,自分の答えが選択肢になく,パニックに陥った受検生も少なからずいたのではないか。やることが単純なため,時間をかけて答えが無かったときの精神的なダメージは大きい。ただ,この次の(3)の問題と比べると作業量はまだ少ないので,正しい答えが出るまでは,多少粘っても取っておきたい問題である。
(3)
この問題を解くために〔表〕の情報から令和7年の平均収量を〔表〕にある全ての都道府県求める必要があり,計算量がこれまでの問題よりも圧倒的に多くなる。よって,解けたとしても試検時間を相当持っていかれるので,かなりの覚悟を持って取り組まないといけない問題であった。「一度手を付けたからには最後までやり切りたい」と思って手を付けると、他の問題の残り時間に影響してしまう。したがって,この問題はいったん後回しにして,別の大問を取り組んだ後,時間が残っていたら挑戦し、解けたら儲けものだ、と考えた方が良い問題であった。
[問3]理系(合計80点)
(1)ア:やや易 20点 イ:標準 20点
(2)難 40点
(1)
折り紙の面積に関する問題で、適性検査入試で頻出のテーマなので、安心した受検生も多かったのではないだろうか。〔図1〕の部分が全体の4分の1であることに気が付ければ,〔図1〕の面積を求め,4倍すればすぐに求めることができる。短時間で確実に取っておきたい1問である。
(2)
〔図2〕から手順に沿って,もとの状態に戻していき,穴が何個空くかを確かめていけば取れる問題。これも適性検査ではよく見かける問題なので,(1)よりは丁寧な作業が要求されたとしても,落ち着いて取り組んで得点にしてもらいたい問題であった。
(3)
取り組んだ受検生の中には〔例〕の図形を参考にして,そこから手順に沿って戻しいく。そうすると,求める場所は分かるが,頂点Aと頂点Dの間の点の位置の情報がない。求めるための長さが出せず,困惑した受検生もいたであろう。結論から言うと,辺の長さを求めて解くのではなく,図形の合同を利用して解く必要があり,発想の転換が必要だ。そのため方針が浮かばずに時間だけ費やしてしまい,得るものがなかった、という多くの受検生にとって,『受検生泣かせ』の1問であった。
[問4]推理系 (合計80点)
(1)ア:やや難 20点 イ:難 30点
(2)やや難 30点
(1)
神奈川県立の適性検査でよく出題される、独自の推理系の問題である。例年だと比較的,(1)に簡単な問題を持ってきて,そこで受検生に単純な操作をさせながら,条件や設定を確認させていくといくことが多い。そして(1)で理解したことを用いて、次の問題へと話を発展させていく。しかし今年の場合、(1)に、並べ替え方を参考にして操作をさせることと,推理をしていくことも同時に行わないといけない。例年であれば(2)にくるような問題が(1)にきているため、当日の受検生の心境を考えると、非常に可哀想としか言いようがない。
(2)
問題Bは8枚のカードを使った推理系の問題でカードの入れ替えた回数が25回と多い。そのため選択肢のカードがあてはまるまで愚直にこなしていく以外の方法が思い浮かばず、全ての場合を試した受検生も多かったのではないかと考えられる。15で試すと、カードを入れ替える回数は28回となり,「あ」にあてはまるカードを13,11,9,…と変えていくと,入れ替える回数が1回ずつ減るという規則に気づくことができれば、9という答えを導くことは可能ではあるが,試すにしても,規則に気づくにしても、時間内に正しく解ききることは非常に困難であったと予想される。
(3)
問題Cにおいて,5回目の〔操作〕を行うときだけカードの入れ替えを行わなかったと書かれているので,下手に良いやり方を探すより,泥臭く選択肢にあるものを順に試していくと良かったのではないか。カードの枚数は5枚しかないので,即断即決して手を動かせば,何とか間に合ったかもしれない。しかし、「何かいいやり方がないだろうか」と考え込んでしまうと時間的に苦しい展開になってしまったかもしれない。
[問5]文系 (40点)
標準
県立中等の過去問対策をやっていた生徒なら抵抗なく記述ができたのではないだろうか。県立中等に入学した1年生が『レクリエーション』を提案し、『どうしてその提案をしたのか』というテーマであった。グループ活動があった頃にも同じテーマが出題されていた。今年度からその2つをア・イの2パートに分けて書くように変わったが、テーマもそれほど難しくはなく、記述の自由度も非常に高いため、書きやすいものであったと推察される。この問題は昨年同様、適性Ⅰの最終問題にあるが、この問題を試検が始まってから最初に短時間で片づけるべきである。
適性Ⅱ [難]
[問1]文系 (合計70点)
(1)易 30点
(2)やや易 40点
(1)
〔資料1〕~〔資料3〕からの情報と与えられた選択肢との整合性を計る問題で適性検査Ⅰと同様で計算して正誤を判定する必要がなく,選択肢の正誤判定も比較的,容易に行える内容であるため,必ず取っておきたい1問である。
(2)
ピクトグラムは何をどう伝える手段で,どのような特徴があり,どのようなものを中心に世界共通で使われるようになってきたかの3つの要素をふまえて答える問題である。伝える手段は〔資料1〕から,特徴に関しては〔資料2〕から,どのようなものを中心に世界共通で使われるようになってきたかは〔資料3〕から、1つの情報に対して1つの資料から抜粋するようになっていた。聞かれている内容に関しても答えやすいものであったため落ち着いて3つの資料から情報を持ってくることができれば自然に80字から90字の記述ができあがった。
[問2]文系 (合計80点)
(1)ア:やや易 20点 イ:標準 20点
(2)難 20点
(1)
ア 水25㎥の場合の改定前の料金を〔料金表〕を用いて求める単純な計算問題であった。確実におさえておきたい1問である。イ 先のア同様に〔料金表〕から改定後の料金で4622円になるのは水を何㎥使用しているかを計算で求めて,その結果から,改定前と比べて料金がいくら増えているかを求める問題である。聞かれていることは単純である。アよりは計算量は増えるが、他の問題の難易度から考えると、なんとか正解しておきたい問題である。
(2)
与えられた資料から,4つの機器を推測する問題である。実際に人数を計算して〔メモ〕に当てはまるものを探していくと,計算量が多すぎて,限られた時間内にこの作業を行うのは厳しかったと思われる。ただ,割合からうまく範囲を絞っていく方法もあるが,当日の試験会場でその発想に至れた受検生がどの程度いただろうか。この問題は深入りせずに次の問題に進めることが得策であったのではないかと考えられる。
[問3]理系 (合計70点)
(1)ア:やや難 20点 イ:やや難 20点
(2)難 30点
(1)
ア 設問自体はシンプルで立方体4個で組み合わせて何種類の形ができるかという定番問題ではあるように見える。しかし多くの受検生が立方体4個使ってできる立体の形を描き進めることは容易に想像がつくが,一定数を描くことはできても,立体的に考えないといけない。そのため1,2種類ほど完成する立体を見つけることができず,正しい答えである8種類ではなく,6種類,7種類を選択してしまった受検生が多数いただろう。方針が浮かび,手は動くものの,本番という緊張感の中で取りこぼすことなく正解を導けた受検生がどの程度いたかは甚だ疑問が残る1問であった。
イ〔例2〕を参考にして,考える出来上がった立体を真上から見ると,実質,平面で考えることができるので,使う立方体の個数は先のアよりも多いが、こちらの方が描き出していったときに取りこぼしにくい。ただ,それでも,取りこぼしやすいことにはかわりはないので,細心の注意を払って解く必要がある問題である。
(2)
(1)で、すでに多くの時間を費やしてからのこの最終問題であるが、(1)より複雑なもので,時間的にも難易度的に一般的な受検生が取り組み,描き出して正解をつかみ取る余力は残っていなかったはずだ。この設問は時間をかけずに,マークのみをして別の問題を解くことが得策であった。立体に関する大問はあるが,大問の中で聞かれるテーマが変わっていき,小問ごとに取れる、取れないの問題が混在するのが通例である。しかしこの設問は、『立体の場合の数』といった1つのテーマを引っ張った大問は非常に珍しい。しかも扱っているテーマ自体が全受検生にとって苦しいテーマであった。この大問は全滅した受検生も多くいたことであろう。
[問4]推理系 (合計80点)
(1)標準 20点
(2)やや難 20点
(3)難 30点
(1)
信号機を使った問題は、適性検査でよくある問題だが,この問題はスプリットやオフセットといった見慣れない言葉が出てきて、さらにそれぞれの信号機において,色の変わるタイミングが異なるためより細かい作業が強いられる問題であった。この問題はA地点を出発する時間が与えられ,条件に沿って車を進めるだけでよいので,何とか答えまで導きたい1問であった。この問題に関しては計算を間違えても答えと一致しないことが多いので,他の問題と違い,誤った選択肢を選ぶ可能性が低い。よって時間に余裕があれば選択肢と一致するまで粘りたい1問であった。
(2)
B地点から出発して信号に一度も引っ掛からない状態で行くと141秒となり,試験時間がない受検生は一縷の望みを託して➀を選択した受検生もいたのではないか。そして,信号で止まる時間が最短になるように進んでいくとB地点から3つ目の信号で14秒の待ち時間が発生することが分かるが,検査中であればその答えがはたして最短なのか,はたまた,その行き方よりもより待ち時間が短い行き方があるのではないか、と自信を持って選べた人はいなかったはずだ。
(3)
試検内にこの問題を解く最短の方法は、選択肢をしらみつぶしに試行錯誤していく以外に術はない。さらに,1つ1つの選択肢の整合性を確かめるのにかけていい時間は、試検全体の時間のことを考えると、1つの選択肢あたり30秒程度で判定していかなければならない。ただ,そのスピードでミスを誘発することなく,正確に答えを導けることができる受検生はほぼ皆無であろう。ゆえに,この問題は惑うことなく、捨てるべきであった。
予想ボーダー(記述抜きの520点満点)
相模原中等 210点~240点平塚中等 170点~200点
先に記述した通り、昨年より大幅に難易度が上がっている。ボーダーは昨年度りかなり下がることが見込まれる。予想ボーダーは上振れすることはないと思うが、下振れすることは大いに考えられる。何度も申し上げるように、今年は過去に類をみない問題構成であった。
しかし記述を除いた『易』と『やや易』は解きやすいため、確実に点を取らなければならない。『標準』と設定している問題も、例年に比べて手間がかかるものが多い。『やや難』は『難問』はもはや相手にしなくていい。『標準』の中から取れる問題を取ってほしい。
平塚中等も相模原中等も合格には、『易』と『やや易』を全て正解し、平塚中等の場合は『標準』から2問、相模原中等は全問取った場合で仮定した。
また、今年度も記述は書きやすいものだったので、失点をせず、満点を狙いたい。しかし、おおよそ80点中60点あたりが期待値であろう。記述を含めたボーダーは、相模原中等で270点~300点、平塚中等で230点~260点あたりに引かれるのではないだろうか。