2022適性検査

受検者状況 

  受検生総数(出願者ー当日欠席者) 実倍率(受検生総数/定員)
相模原中等  男女 1016名 6.35倍
平塚中等 男女 754名 4.71倍
※神奈川県教育委員会発表の資料より作成

適性検査分析

かなり難化。県立中等の過年度入試と比較して、かなり取り掛かりにくい。
まず、設問や課題文の条件が細かい。これを試検時間内に速く、正確に処理することができる人がどれほどいただろうか。そして、条件をチェックしてから回答を導き出すまでの計算等のプロセスも厄介なものが多かった。
そして、点差を明確にするためなのかどうかは不明だが、小問数がかなり増えた。そして、その小問の多さゆえ、『時間対得点』効果が悪い問題、つまり時間をかけたわりに配点が低いものがいくつかあった。
全体を通して問題を見たときに、奇問・難問のような捨て問の類までのものは見受けられなかったが、制限時間内に処理しようとすると、どうしても全ての問題に正確に回答するのは困難であるし、そうしようとすると一つひとつの問題に対する精度も確実に落ちるはずである。
それらを全て鑑みると、受検生のレベルに関わらず、得点に伸び悩んだ人が多かったはずだ。
よって、今年度の合格ボーダーはかなり下がると見込まれる。直近の合格ボーダー予想は全くもって通用しないであろう。
易しい問題を確実にとり、自分がとれる(あるいは、とれそうな)問題を取捨選択し、解いたところは確実に点数に結び付け、一つでも多くの正解を出すしかない。
「易しい」問題は確実に点をとってほしい。「標準」は標準だからといって、全て解く必要はない。この中からできるだけ多くの問題を解いて、点数を稼いでほしい。今年に限っては「やや難」をすべて捨てても合否には影響しないと思われる。「やや難」をすべて捨てる代わりに、「易しい」問題全てと、「標準」の中から6割以上は取りたいところである。


設問別難易

あくまで難易度は、大人目線ではなく、小学校6年生が試検会場でとれるかどうかを客観的に考察したものです。

適性Ⅰ 難化
[問1]文系
(1)標準 30点
(2)ア:易 10点 イ:標準 30点
(1)正誤判定問題。選択肢は少ないが、速さの計算をさせるものがあった。この問題はできるだけ時間をかけずに、確実に正解にたどり着きたい。
(2)ア 一般的な場合の数の問題。1回通った経路は使えないという条件と、『き→え→お』という順番の経路は使えないことに気をつけて書き出していくとよい。条件自体は少なく、書き出す通り数も多くはないため、正解しておきたい問題であると言えるだろう。しかし、配点が低い。
イ 行き方は多数あるので、〔図〕をもとに1番長い道のりと1番短い道のりを予想しないといけない。計算自体も複数の小数のたし算を行わないといけないので、限られた時間内で正確に解かないといけないので、慌てた受検生も多かったことであろう。


[問2]理系
(1)ア:易  20点 イ:標準  20点
(2)ア:標準 20点 イ:標準  20点
(1)立方体Aは〔表〕の立方体Aの情報を使って重さの範囲を絞り、重りの重さのはかり方を読み取ることができていれば比較的解きやすい内容であったであろう。立方体Bは〔会話文〕から, 9g5g2g1gのおもりではかることはできなかったという条件と〔表〕の内容を照らし合わせて考えていく必要があるので、少し手順が増える。

(2)2進法に気が付くかどうかで決まる。アとイは連動しているので、2進法に気が付くことができれば両方とれるが、気が付かないと早々に見切りをつけるべきである。

[問3]推理系
(1)ア:易  10点 イ:易  10点
(2)ア:標準 20点 イ:標準 30点
(1)アは、〔会話文1〕、〔練習日の決め方〕から選択肢を絞っていくと、10日、11日は他のクラスが使用しているため使用することができず、8日はひかりさんの発言とじろうさんの発言を組み合わせることで、これらは間違いの選択肢だと判断することができる。この問題は正解しておきたい1問である。イは、アの結果を利用すると、C組は7日と9日に運動場を利用しており、A組が11日に体育館を利用していることが分かるので、7日・9日・11日の選択肢を切ることは容易にできた。そして,じろうくんの発言と結び付けることができれば、正しい答えを導くことができた

(2)〔順位のつけ方〕をもとに、それぞれのチームの勝ち点を計算し順位を決めていけばよいが、各種目の順位の決め方と総合順位の決め方が異なるため、それらの内容を混同させず解く必要がある。B組とD組の順位が同率2位と誤った答えを導き出してしまった受検生も少なからずいたことであろう。


[問4]推理系・理系
(1)ア:標準  20点  イ:標準  20点
(2)ア:やや難 20点  イ:やや難 20点
(1)アは、〔表〕の計算結果から、あまりとCの個数の積の値が分かるので、そこからあまりとCの値を実際に当てはめていけば、さほど時間もかからず解けたであろう。イは、アの結果より[表]の➀終了時の状態が分かり、そこからあまりとCの個数を推測していく。手順はそれほど多くないため、できれば失点は避けたいところだ。
(2)アは、実際に直方体を描いて解いていくとよいが、空間把握能力が必要とされる。図形を描いているうちにズレが生じ、答えの個数が僅かにずれてしまった受検生もいたはずだ。イは、アの問題以上に条件が厳しいため、ミスなく答えを出せた受検生はごく少数ではなかろうか。

適性Ⅱ 難化
[問1]文系
(1)易 20点
(2)ア:標準 20点 イ:標準 40点
(1)正誤判定だが、今年の問題はすなおで、選択肢と【資料】の内容を一つひとつ整合させていけば、答えを絞ることができたはずである。絶対に失点したくない。
(2)昨年までの記述の、前半に書く内容と後半に書く内容を2つの設問に分けているだけなので、形式が変わっていても、しっかりと対策を積んできた受検生なら問題はなかっただろう。


[問2]推理系
(1)ア:標準 20点 イ:標準  20点
(2)ア:標準 10点 イ:やや難 20点
(1)久しぶりに音楽の問題が出た。アは、おどり①にかかる時間と、おどり③にかかる時間を求 めるものだ。まずこの曲では、1秒間に4分音符2回打つことと、13~53小節、89~122小節をそれぞれ53-13+1=41、122-89+1=34にしなければならないことに気を付けなければならない。そうしないと全ての計算が狂う。イも、アと同様に4分音符を求めるのに計算を間違えないようにし、さらに、[表2]の3つのクラスの動きの最小公倍数をとり、規則性の問題として考えていけばよい。
(2)条件はさほど複雑ではないが、数え間違える人が出てくるだろう。アは、せっかく得点したとしても10点しか入らないので、個人的にはなかなか意地悪な問題だと思う。イは配点は20点あるにしても、限られた時間内で正確にカウントしていくのは、かなりきついものがあったのではなかろうか。


[問3]理系
(1)やや難 20点
(2)ア:やや難 20点 イ:やや難 30点
(1)多くの情報から、回答に関係するものを抜き出し、計算を丁寧に行う必要がある。取り掛かりにくい問題なので、この問題で時間を費やすのではなく、別の問題で点数を取りに行く判断を下した受検生も多くいたはずだ。
(2)アは、Bに使う棒の作り方と[工作の計画]から、わくの組み立て方法を理解することができていれば、計算自体は複雑でないので正解できた受検生もいるだろう。しかし、(1)同様、情報が多く、理解するまでに時間を要するため、一筋縄ではいかない問題だった。イは、アの内容を正確に理解できていれば、Cの板の一辺の長さが5.4+0.4=5.8(㎝)と気が付くことができれば、5.8×5.8=33.64(㎤)とすぐに出せるが、当日の試検中にここまでたどり着けた受検生はごく一部であったであろう。


[問4]推理系
(1)易 20点
(2)ア:やや難 30点 イ:やや難 30点
(1)この問題は絶対失点したくない。これを解くのに必要な条件は最小限なので、必要な食材を拾いながらレジへと続く道筋を見つけ、マス目を丁寧に数えれば出せる。
(2)条件が複雑である。アは繰り返しカードの意味を理解し、どのような条件で使えるのかを正確に[カード]や[指示の出し方の例とならべ方]を熟読し、腑に落とさなければならない。ただでさえ難しいのに、イはそのさらに発展的内容である。この作業を試検の有限の時間で読み取り、条件に合うように答えを出すのは、なかなか難しかっただろう。


グループ活動

今年度も実施せず