2023年適性検査

受検者状況 

  受検生総数(出願者ー当日欠席者) 実倍率(受検生総数/定員)
相模原中等  男女 935名 5.84倍
平塚中等 男女 725名 4.53倍
※神奈川県教育委員会発表の資料より作成

適性検査分析

昨年同様
あくまで難易度は、大人目線ではなく、小学校6年生が試検会場でとれるかどうかを客観的に考察したものです。

今年から大きく変わったことは、マークシート方式になったことと、昨年適性Ⅱに出ていた2つのタイプの記述が、適性Ⅰと適性Ⅱに分けて出題されたことである。
今年の問題は、解きやすそうに見えるものが多かったが、実際に手を動かして解いてみると、計算が多くて面倒だったり、条件が入り組んでいて時間をもっていかれたりと、見た目と中身のギャップに驚かされた。また、マークシートになって、選択肢がプールされることにより、自分で出した答えが選択肢に無く、条件を読み返して計算をし直すといった、選択肢があった故に時間を持っていかれた受検生もいたのではないだろうか。
今年の問題のいやらしいところは、先出したように、見た目と中身のギャップと計算量の多さである。時間内に全問を確実に解くことはおろか、計算を卒なくこなしていくことも厳しい。解き終わったときに、手応えを感じるのが難しい問題だった。
我々大人が時間を計って解いて、かつ捨て問を切って、ようやく終わった。試験という緊張状態のなかで、全ての問題を着実に処理しきれる小学生がはたしてどのくらいいるのだろうか。
やはりそれらを全て鑑みると、受検生のレベルに関わらず、得点に伸び悩んだ人が多かったはずだ。
Proceed の予想ボーダーであるが、前年度と同程度の難易度だということ考慮した結果、記述の80点を満点換算とし、それを除いた客観問題(520点満点)で、
相模原中等で260~290点平塚中等で200~230点程度に収束するのではないのかと見込んでいる。


設問別難易

適性Ⅰ 標準~やや難
[問1]文系
(1)やや易 30点
(2)標準    40点

(1)
正誤判定問題。②の選択肢を除き、計算を必要とする判定がないので、資料と選択肢とをしっかりと見比べることができれば容易に答えは出せるであろう。②の選択肢に書いてある内容は、直接資料に言及されていないので、戸惑った受検生もいたのではないだろうか。しかし、取っ掛かりさえ掴めてしまえば、あとは単純な計算問題である。問題全体の難易度からして、この問題は落したくない問題の1つである。
(2)
記述問題。従来は、適性Ⅱの問1に120~150字の範囲で書かせるのが鉄板で、前半に資料の読み取り、後半に自分の意見を書かせるタイプであったが、昨年度は資料の読み取りと自分の意見を書かせる問題を分けて出題した。今年は、昨年度の流れを踏襲しつつも、資料の読み取り部分を適性Ⅱの(2)へ、そして、自分の意見を書かせる問題をここに持ってきた。書かなければならない内容は単純なので、条件にしたがって、しっかりと時間をかけずに満点を狙いたい。



[問2]理系
(1)ア: 易  20点 イ:やや難 20点
(1)ア: 易  20点 イ: 難        20点

(1)
ア:黒色のタイルを最も多く使うパターンを予想して、書き出していけば、容易に答えを導き出せる。
イ:通り数の問題だが、アと違い、素直に書き出すと時間がかかる。やり方次第で効率の悪い問題になってしまう可能性がある。[図]の説明より、線対称の応用問題であることに気づき、9枚の真ん中を含む、左上の4枚の模様を考え、あとは自動的に模様が決まっていくことに気が付けば、黒2枚白2枚のパターンと、黒3枚白1枚のパターンに場合分けすれば、比較的に短時間で求められたであろう。しかし、アで書き出しを行っているので、それにつられて、書き出しをしてしまった人は答えにたどり着くことができなかったのではないだろうか。

(2)
ア:図2の左側のサイコロは1と4の配置より、Aの面は2とすぐに出せ、そうするとBの面には奇数がくることが分かる。よって、右側のサイコロの正面が5で、Bの面も奇数となるので、[展開図]の奇数の面に着目していけば、Bの面が3だと分かる。よって、2+3=5であると、時間をあまりかけずに求めることができる。
イ:書き出す以外のやり方が浮かばなかったか、あるいは、書き出すにしても時間が足りないことを考慮し、この問題を捨てた人もいたのではないだろうか。



[問3]文系
(1)やや易    20点
(2)ア:標準  20点 イ:標準 30点

(1)
選択肢の条件自体はさほどむずかしくない。ただ、複数の資料を見て正誤を判定するものも含まれているため、いかに必要な情報を資料から短時間に正確に選び出せるかがポイントになってくる
(2)
ア:
[会話文][2]から、2019年の日本の二酸化炭素の排出量を計算し、その計算結果と[表1]から割合を計算していけばよいが、必要な情報を抜き出してくる力と計算力の両方が問われる1問であった。ただし、丁寧に計算すれば求めることができるので、多少時間をかけてでもとっておきたい1問である。
イ:
[会話文]と[表1]から、目標とする温室効果ガスの排出量を計算し、その計算結果と[表1]の数値を使ってもう1度計算を行えば求めることができる。数値こそ細かいが、丁寧に計算をすれば求めることができるので、アと同様でとっておきたい問題である。ただ、この大問で多くの計算が要求されるので、ミスなくクリアをしていかないと時間がとられて大問ごとの時間配分のトータルバランスが崩れてしまった人もいたのではないのかと推測される。


[問4]推理系
(1)ア:易  20点  イ:易 20点
(2)ア:易  20点  イ:難 20点

(1)
[会話文]の条件を参考にしていけば、容易に解くことができたであろう。
イ:[会話文]の誘導通りにスイレン庭園以外の1か所だけを選ぶ場合、2か所を選ぶ場合、3か所すべて選ぶ場合を求め、足すことで求めることができる。誘導も優しく、計算も簡単であるため、確実にとらなければいけない問題である。
(2)
ア:A駅からの発車時刻である948分に移動時間の合計25分と駅に停車している時間の合計6分を足して、1019分と求めることができ、③と分かる。ただ、停車している時間の6分を忘れて計算して1013分と求めた人もいたのではないかと思われる。ただ、条件は少ないため条件を読み落とすことなく、きちんと答えを導いてほしい問題である。
イ:
験時間内に正しい道筋で解ききるのは非常に厳しいと考えられる。条件が非常に多い、かつ、どの順序で行ったかも明記されていないので、真っ先に切るべき問題であったと言える。この問題に関しては我々が解いたとても正しい解き方で試験時間に解ききるのは困難を極めると予想される。ましてや、小学6年生であればなおのことマークをすれだけして他の問題に注力を注ぐ方が得策と言える。



適性Ⅱ やや難
[問1]文系
(1)易   30点
(2)標準  40点

(1)
正誤判定。判定は比較的容易に行うことができ、配点も30点と高めなので必ず正解しておきたい問題である。
(2)
記述問題。だが、どちらかというと、国語の書きとり問題に近いものであった。該当箇所は比較的すぐに検討がつくだろう。確実に満点を狙いたい。


[問2]理系
(1)ア:標準 20点 イ:標準  20点
(2)ア:易    10点 イ:やや難 20点

(1)
ア:[図]に条件を落とし込んでいけば比較的にすぐに答えが出たはずだ。
イ:
FE・GHの長さはアの結果より35mと分かる。四角形ABCDは正方形という条件を見落とすことなく、曲線の部分の直径は35mから4.8mを2つ分引いて、35(m)―4.8(m)×2=25.4(m)ということがわかれば、35(m)×2+25.4(m)×3.14=149.756(m)となり②と求めることができる。しかし、本番の緊張や焦りから曲線部分の直径を35mで計算してしまい、179.9mと出してしまった受検生も少なからずいたことであろう。
(2)
ア:[表1]と[チームの分け方]を参考にして計算していけばよい。チームポイントの計算をするさいに、それぞれの学年ごとに計算をしていけば正確かつ短時間で答えにたどりつくことができた。
イ:与えられた条件から、特殊算の一種である消去算あるいはつるかめ算を使うことに気が付けたかどうかが勝負であった。また、計算の正確さも問われる問題であったため、やや難とした。


[問3]推理系
(1)あ:やや易 20点   イ:標準   20点
(2)難 30点

(1)
ア:[図1]~[図3]の内容を参考にし、実際に図に書き込んで判断をしていけば解くことができた。見慣れない問題なので、一瞬とまどってしまった受検生もいたはずだ。
イ:[会話文1]から、電球を照らす範囲が正しく取れれば正解を導くことができる。計算も、頂点Oのとき照らすことができる範囲は正方形4個分で頂点Kのときは正方形2.5個分ということから、4÷2.5=1.6(倍)と計算自体は楽であったが、会話文から状況が読み取りづらかった。もしかすると、なかなか答えをだすことができず、自分の出した答えが選択肢にないため何度も計算をしなおしたため、時間を持っていかれた可能性がある。
(2)
[図6]はかなり複雑な図形で、ここまでの内容をきちんと把握していたとしても、作業が多く、選択肢も数字が連続しているので、限られた時間内に正しく答えを導き出せた受検生はごくわずかであったはずだ。ひとまず他の問題を解いて時間があれば戻ってくるようにするのが、賢明な判断である。


[問4]推理系
(1)標準 20点
(2)ア:やや難 30点 イ:難 30点

(1)
ア:[動かすときの注意]・[動かすことができなくなるとき]から、コマの動かし方を読み取り試していく。焦らず丁寧に数えていけば答えを出すことはできるが、選択肢の数が連続しているため、1つでも数え忘れをしてしまうと、正解の前後の数値の選択肢をマークしてしまう可能性がある。慎重に数える必要があるため、正確性が問われる問題であった。
イ:アの問題と同様で、1つ1つ試していく必要があるが、アよりも情報量が多い。しかも,アと同様に選択肢の数値が連続している。アよりももっと慎重に数えていかなければならない。残り時間が差し迫っていて、あわてたため、答えがずれてしまった受検生もいたはずだ。正確に答えを導くのであれば、3~5分はかかってしまう。
(2)
[会話文2]で誘導こそあるが、ここまでの内容を完璧に把握していないと解ききることは難しかったであろう。条件も多くあるので、限られた試験時間内に条件を完璧に理解し、そこから誘導にそって解ききるのは非常に厳しかったと言える。仮に、正しいコマの道筋が分かったとしても、得点を計算するさいに、はじめの100点を足し忘れて61点と答えてしまった受検生もいるのではないかと予想される。残り時間も加味すると、捨てても良い1問であった。

グループ活動

今年度も実施せず