受検者状況
受検生総数(出願者ー当日欠席者) | 実倍率(受検生総数/定員) | ||
相模原中等 | 男女 | 838名 | 5.24倍 |
平塚中等 | 男女 | 663名 | 4.14倍 |
適性検査分析
やや難あくまで難易度は、大人目線ではなく、小学校6年生が試検会場でとれるかどうかを客観的に考察したものです。
適性検査Ⅰは大問が5問構成に大問が1題増えたが、解答しなければならない小問の数は昨年とほぼ同様である。構成は文系が2問・理系が1問・推理系が2問となっており、バランスの取れた構成となっていた。
適性検査Ⅱは大問4問構成であったが、問1は例年通りの文系分野であったが、問2・3・4は全て推理系であった。
適性Ⅰ・Ⅱ全体を通して、1問1問の難易度は昨年より下がったように感じる。ここでいう難易度とは解の出しやすさである。しかし、これまでの県立中等適性検査と違って、推理系の割合が多いのが今年度の特徴である。推理系の問題を解く場合、条件や設定を細かく理解したり、使うべき条件を図やらに書き出す作業をしたりで、ある程度のまとまった時間をどうしても持っていかれる。さらに、あの条件内容を小学生がすぐに理解できるのか、と言われると懐疑的である。1度条件を読み違えて手詰まりになると、再度条件を拾いにいくの時間がかかる。そして推理系の一番恐ろしいのは、一度沼にはまってしまったら、時間がどんどん取られてしまうところにある。
例年同様、各小問ごとに『易・やや易・標準・やや難・難』の5ランクに難易度分けをしたが、文系・理系の問題はそのまま当てはめていただいてよいが、推理系に関しては試験時間内に処理をするという状況を加味すると、設問の難易度がそのまま得点に比例するわけではない。つまり、単純に『やや易』とか『標準レベル』だからと言って、取らなければ受からないと安易に言えるものではない。そういった意味で今年の入試のボーダーは読みにくくなっていることは間違いない。
そのため、このページの最後に記した今年の予想ボーダーは、文系・理系は昨年度同様にランク分けに基づいて算出するが、推理系問題は時間や条件の複雑さ等を加味したProceed独自のものであることをご容赦いただきたい。
設問別難易
適性Ⅰ 標準問1・問3・問5は確実に点が取れるところなので、短時間で処理し、ここまでの点数を持っている状態で問2・問4へ取り掛かることが理想。
[問1]文系 (40点)
(1)やや易 20点
(2)標準 20点
(1)
資料と整合させるだけで、計算を必要としない正誤判定問題だった。選択肢の表現と資料の表現照らし合わせれば、選択肢を明確に正しいものと誤っているものに分けることができた。特段紛らわしい表現はなかったので、必ず取っておきたい1問であった。資料は多くあったが、資料一つひとつの情報量はそれほど多くはないので、容易に正誤判定をおこなうことができたであろう。
(2)
一見ごちゃごちゃしているように思えるが、単純で基本的な植木算の問題である。計算量もさほど多くないので、確実に取っておきたい問題。正しい答えは512mだが、はじめの12mを計算し忘れて500mを答えに記入してしまった受検生もいるのではないだろうか。
[問2]理系(70点)
(1)ア: 易 10点 イ:標準 20点
(1)ア: やや難 20点 イ:やや難 20点
(1)
設問アは会話文の誘導通りに計算していけば答えを容易に求めることができるため、確実に取っておく問題である。設問イは、設問アで求めた結果を用いて実際にどのように箱を分けていくかを考える問題で、問題の内容としては簡単ではあるが、複数の組み合わせを考えないといけないため、条件に合う結果がすぐに見つかった受検生は問題ないが、なかなか見つからなかった受検生はこの問題で当初の予定よりも時間を費やしてしまったはずだ。ここで時間を費やし過ぎると後々の時間配分に響いてくる。
(2)
設問アとイともに、(1)イと同様の作業を行い求めていかないといけないが、使う14個の箱も(1)に比べて複雑になっているため、試していって答えがどの程度で出るかの予想が立てづらく、解までにたどり着く時間が読めない問題である。よって、解く場合は、自分の中で予めどのくらいの時間まで粘るのかを決めておいたほうが得策であった。あるいは、この問題を後回しにして、他の解きやすい問題から解いて、時間が余ったら再び戻ってくる、といった選択をした方が良い問題であった。
[問3]文系 (70点)
(1)やや易 20点
(2)ア:やや易 20点 イ:やや易 30点
(1)
正誤判定問題。選択肢A~Eの正誤に関しては[会話文]、[表1]~[表3]からの情報をもとに多少の割合計算はあるが、容易に判定できるため短時間で正解へたどり着けたはずだ。この問題は死守したい。
(2)
割合に関する問題。設問アは、[表1]の割合を利用し、問題文に指定されている項目の割合計算をすればよい。ひっかけはないので容易に選択肢の答えにたどり着くことができる。だからこそ、丁寧な計算力が求められる。必ず取っておきたい。設問イは、会話文の流れに沿って、必要な情報を順番に求めていけばよいけばよい。しかし、最後まで細部に気をつけて計算する必要がある。正しい答えは④6.18倍だが、割る数と割られる数を逆に計算して四捨五入をすると②0.16倍になってしまう。こうしたことを作問者は織り込み済みなだからこそ、この②の選択肢を用意してあるのだろう。
[問4]推理系 (80点)
(1)ア:標準 20点 イ:標準 30点
(2)やや難 30点
(1)
独特のルールをその場で読み解いていくので、状況設定を把握するまでにどのくらいの時間がかかったがカギとなった。文章量も多く、初めて見るゲームのルールなので、状況設定を理解にするのに時間を使ってしまい、解く時間を満足に確保できなかった受検生がいたのではないかと予想できる。正しく設定を把握することができれば設問ア、イは容易に正解まで至ることができるが、本番の緊張した状態かつ、問4の最後の問題ということ、さらに適性検査の試験時間も限りなく短くなっている状態で解いている受検生も多いので、残された時間の中で厳しい戦いを迫られたであろう。できれば、設問ア,イの両方をとりたいところではあるが、設問アは、数も少なく、比較的容易に導けるため設問アだけでも取っておきたいところであった。
(2)
(1)で内容を理解し、そこからゲームのルールにしたがってゲームを行い、最後にたろうさんの勝つ通り数を求める問題を、時間的にも操作の複雑さにおいても、解答まできちんとたどり着けた生徒はごく一握りであったのではないのだろうか。この問題で合否を分けることはないであろうから、早々に適当にマークをし、他の確実に取れる問題に注力するほうが得策であった。
[問5]文系 (40点)
標準
問題設定も去年や一昨年の過去問をやっていた生徒なら抵抗なく記述ができたのではないだろうか。ただし、今までは大問1にあったが、今年は最終問題にある。しかしこの問題を最後にやるより、最初に解くようにし、かつ短時間で片づけておきたい。受検生は回答用紙を配られた段階で記述の位置が確認できるはずなので、どこに記述問題があるかを試験前に把握し、真っ先に取りかかるべきであった。
適性Ⅱ 標準~やや難
[問1]文系 (70点)
(1)易 30点
(2)やや易 40点
(1)
正誤判定問題で、文章も読みやすく、資料一つひとつの情報量も多くないので、確実に正解にたどり着けた受検生も多かったはずだ。つまり、この問題では差は着かなかったであろう。むしろ落とすと、このあとに影響する。
(2)
記述問題。だが、どちらかというと、国語の書きとり問題に近いものであった。該当箇所は比較的すぐに検討がつくだろう。確実に満点を狙いたい。
[問2]理系・推理系 (80点)
(1)ア:やや易 20点 イ:標準 20点
(2)ア:標準 20点 イ:やや難 20点
(1)
推理問題で、畑の分け方自体は非常に分かりやすいが、アは、早とちりすることなく、図をしっかりと書き出して、畑の4区画を計算し、条件に合っているかどうかを確かめる必要がある。4つの区画を計算しきらずに、区画Aと区画Bだけを計算して間違った選択肢を選ばないように注意が必要だ。イも同様にアを求めるときに使った図を用いたら、すぐに取れるであろう。
(2)
アは[注意点]に出てくる条件と[表1]の条件とを組み合わせると求めることができ、[注意点]に出てくるダイコンに着目して推理を行うととスムーズに解けるが、ダイコン以外から解こうとすると何パターンか試す必要があり、時間がかかってしまうことから、難易度は標準とした。イは[表2]より、前期に育てる野菜が提示されているので、そこから[注意点]の条件を合わせて考えていく。そうすると、前期にキュウリとカブを育てている場所は、後期に育てことができる野菜は絞られてくる。そしてどのパターンが適しているのかを場合分けをして数えていけばよいが、本番はここまでたどり着くまでに時間を要してしまい、冷静に場合分けをして正確に数えきって解を出せた受検生は少なかったであろう。
[問3]推理系 (70点)
(1)標準 30点
(2)ア:やや難 20点 イ:難 20点
(1)
リーグ戦・トーナメント戦に関する問題である。一般的なリーグ戦とトーナメント戦を組み合わせた問題なので取っておきたいが、一般化できれば容易であるが、なかなか試験という空間を考慮すると差がつく1問だったと言える。
(2)
[会話文2]より、[リーグ戦]のさいに1組から6組までがどのようなグループ分けをしているかを考えていくと、3組と4組、1組と2組が同じグループ、2組と5組は別のグループで対戦していることより、以上のことをふまえてグループ分けをすると、1・2・6組と3・4・5組というグループ分けになるが、これはこの問題を解くにあたってのスタートラインだ。そこからさらに、どちらがAグループ、Bグループなのか、様々な条件を考慮しながら考えないといけない。情報量が多く、必要な情報を取捨選択し、正しい順序で限られた時間内に解ききらないといけなかったため、推理系の問題が得意な受検生であれば解けばよいが、苦手な受検生は速やかに撤退して別の問題に時間を割く方が賢明であった。
[問4]推理系 (80点)
(1)ア:易 20点 イ:やや易 20点
(2)ア:標準 20点 イ:標準 20点
(1)
プログラミングに関する問題。アは実際に6×6のマス目を描いて、マス目を塗りつぶす作業を行えば比較的容易に解ける問題なので、確実に仕留めておきたい問題である。イは、初めに0を入れ忘れずに解く必要がある。入れ忘れると間違った選択肢である②が待っている。この誤りの選択肢に手が出てしまった受検生もいることが予想されるが、実際に手を動かせば、推理系のなかでは比較的短時間で取りやすい問題であった。
(2)
アは(1)で条件を正しく読み取ることができていれば、[表]から黒が何マス使われているかを読み取ればよいだけなので、比較的答えを導きやすかった問題である。イは、[表]をもとに6×6のマス目を描いて白いマスと黒いマスに塗り分け、どの列が多かったかを数えればよい。やはり
手を動かして実際に見えるかたちに落とし込む作業が必要であった。
グループ活動
今年度も実施せず
予想ボーダー(記述抜きの520点満点)
相模原中等 260点~290点平塚中等 220点~250点
記述を除いた『易』と『やや易』の問題190点を全て正解し、標準の中でも比較的取りやすい問題【適性Ⅰ:問1(2)・問4(1)、適性Ⅱ:問2(1)イ・問4(2)ア・イなど】あたりから数問点を取ってもらいたい。相模原中等と平塚中等で倍率が違うことを考慮して、相模原中等は+70点以上、平塚中等は+30点以上を安全圏になるのではと予想した。
今年度も記述は比較的書きやすいものだったので、失点をせず、満点を狙いたい。記述を満点だとすると、相模原中等は340点~370点、平塚中等は300点~330点であろう。
あくまで、このボーダーは予想であり、発表の2月10日を迎えるまでは分からないが、例年の予想ボーダーとその結果を鑑みると、だいたいこのあたりに収束するのではないかと思われる。